「グーグル・ブック検索」和解案を拒絶し、和解から「離脱」します。

2009年08月15日

グーグル社の「ブック検索」を、私たちは次のように考え、対応します。

昨今、世間を騒がしている話題に、グーグル・ブック検索和解があります。
米国グーグル社による書籍の無断スキャニングに端を発した米国の著作権侵害集団訴訟は、その和解契約案が国際条約のベルヌ条約に言及するものであったため、和解の成否をめぐって世界百数十ヵ国の著者、権利者を巻き込むものとなり、池田晶子の著作権者である私たちNPO法人も、その当事者のひとりとされました。
和解案への諾否の回答(無回答なら和解案の内容を認めたことになり、グーグルに対する著作権侵害の申立ての権利を失なう)期限が、9月4日に迫ってきています。
私たちは、この問題が著述と出版の営みの本質に関わるとの認識のもとに、今春より、会員有志を中心に慎重に検討してまいりました。
その結果、池田晶子の一部の書籍が、既に無断でスキャニングされていた可能性を認めました。
また、現状の和解案の内容は極めて一方的であり、世界中の書籍の情報を網羅的に集めて、管理、供給しようとするグーグル社の主張・構想は独占を志向するものに思われます。
それは決して画期的でもなく、むしろ、著述、出版、読書の未来に深刻な影響を及ぼすものです。
私たちは、この構想に賛同することができません。
言葉と書籍に寄せる池田晶子の意思を承継する私たちは、今回の和解案を拒絶し、和解から離脱すべきものと考えました。
ここに声明を発表し、私たちの考えを広く知っていただくとともに、和解から離脱する旨を和解管理者に申入れることといたします。
声明の内容、離脱に至る詳細な理由については、以下の添付文書をご覧ください。

◇ 【申入書 in English】(PDF) / 114_1.pdf
◇ 【離脱声明 in English】(PDF) / 114_2.pdf
◇ 【離脱声明】(PDF) / 114_3.pdf
◇ 【添付書面1.】(PDF) / 114_4.pdf
◇ 【添付書面2.】(PDF) / 114_5.pdf

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